「仕事なんだから頑張るのは当たり前。だって周りの人もみんな頑張ってるもん」
自分を奮い立たせながら、弱音を吐かずに頑張っている女性も、実は「休みたい」が本音ではないでしょうか。
無性にイライラしたり、ネガティブな気分になったりするのは、無理をしているサインかもしれません。
私自身、会社員時代もフリーランスになってからも、頑張りグセが抜けず、疲れが溜まるたびに心や体を崩す日々でした。
そんな頑張り屋の私が楽に生きられるようになったのは、ドイツ人パートナーとの出会いにより、価値観が変わったことです。
心地いい毎日を過ごすために、頑張り屋さんに知ってほしいこと、試してほしいことを書き記しました。
仕事を頑張りすぎる女性の特徴
仕事を頑張りすぎる女性は、いくつかの共通点があります。
ひとつでも当てはまる方は、「頑張りすぎ」かもしれません。
自分に厳しい
自己犠牲的になりやすい
休むことに抵抗がある
自分に厳しい
仕事なんだから、頑張るのは当たり前。
そんなふうに自分にプレッシャーを与え、体調が悪い時でも這いつくばってでも会社に行く。
このような日本独特の価値観が、頑張りすぎる女性を増やしていると思っています。
自分に厳しい人は、他人にも厳しいことが多く、頑張っていない人を見ると嫌悪感を抱きます。
自己犠牲的になりやすい
仕事であれば、お客様や会社のために、はたまた上司から認められるために、自分を犠牲にして働いてしまう傾向にあります。
自分を後回しにするせいで、心はすり減り、毎日ヘトヘトになって帰宅するのは日常茶飯事です。
次第に周りの人への不満や苛立ちが募り、「なんで私ばっかり、頑張らないといけないの!」と被害者意識が強くなります。楽しそうに生きている人を「ずるい」と感じることも増えるでしょう。
休むことに抵抗がある
頑張っているのがデフォルトなので、休むことに罪悪感を持ったり、休日でも仕事のことばかりを考えてしまいます。
仕事にエネルギーを費やしすぎて、休日に何もしたくなくなり、ダラダラしてしまう人もいます。
休みを自由に決められるフリーランスであっても、自分に休むことを許可できず、毎日朝から晩まで仕事をしている人も多いです。
日本に蔓延している「休む事は悪」という考え方を取り除かない限り、ずっと休めない状態になります。
ついつい頑張りすぎる理由
仕事を頑張りすぎてしまうのは、一体なぜなのでしょうか。
自分や周りの経験を考えると、頑張りすぎる理由は、この2つが大きいと思っています。
他人の評価を気にしている
自分の価値を低く見積もっている
他人の評価を気にしている
人からどう思われるかどうかばかりを気にするせいで、頑張りしてしまいます。相手に喜んでもらおうと自然に努力できるのならいいのですが、過剰な努力はストレスにしかなりません。
一度思い出してみてください。
これまでに必死に努力しても、思うような評価が得られなかったことってありませんか?
私はたくさん経験しました。たとえば記事の執筆です。
以前は1つの記事を仕上げるのに、2、3日も時間を費やしてました。今から考えたらありえないことなのですが、当時は頑張れば認められるはずと信じていたのです。
でも、その割には、いいフィードバックをもらえず、残ったのは疲労感と虚しさだけでした。
現在は頑張りすぎないをモットーに仕事をしていますが、頑張りすぎていた頃よりも評価され、新しいお仕事の依頼もいただいています。
このように、頑張りと他人からの評価は比例しません。むしろ頑張りすぎないほうが、変に力まずに済むので、良い結果が出やすいと思っています。
自分の価値を低く見積もっている
一生懸命に頑張らないと、自分には価値がないと思っていることも、頑張りすぎる原因のひとつです。罪悪感から休めないのも、自分の価値が低いせいかもしれません。
私たち日本人は、育ってきた環境からどうしても、自分を卑下し、謙虚になりがちです。
だから、残業お願いされても無理して頑張ったり、休日も出勤したり、人の要望に頑張って応えようとしてしまいます。
こんな人に知って欲しいのは、がんばってもがんばらなくても、あなたには充分に価値があると言うこと。
仕事を頑張るあなたも、家でゆっくりリラックスしているあなたも、価値は変わりません。
会社員時代も、フリーランスになってからも頑張ることが抜けなかった。私だからこそ伝えたいのです。
無駄に頑張らないドイツ流の働き方
日本よりも働く日数が少なく、生産性も遥かに高いドイツ。
ドイツ人パートナーの話や本などでドイツ流の働き方を知り、自分の働き方・生き方を見直すきっかけができました。
完璧さよりも効率を重視
ワークよりもライフ優先
仕事をはっきり断る
休日はしっかり休む
完璧さよりも効率を重視
日本人は完璧さを求めますが、意外にもドイツ人は違います。
私の彼いわく、ドイツでは、仕事の出来は60%くらいでOK。正直、低い感覚がありますよね。残業時間も圧倒的に少ないドイツ。しかし、生産性は日本の約1.3倍も高いそうです。
ドイツ人は短時間で集中して仕事をするスタイルなので、仕事中にゆっくりする時間はありませんが、その分、残業もほぼないそうです。
反対に日本人は、完璧さを求めるあまり、仕事の効率が悪くなり、残業や休日出勤が多くなる。
会社員の方は定時まで働かないといけないと思いますが、効率的に仕事をこなし、午後はゆっくりできるだけでも気が楽になるかもしれません。
クリエイティブ系のフリーランスの方は、効率に仕事できれば、それだけ自由な時間が増えます。
効率的に仕事をするコツについては、こちらの記事もよかったらどうぞ。
ワークよりもライフ優先
ドイツでは、仕事は人生の中の1部であり、全てではありません。
自分の身体を休める時間やプライベートの時間を大切にしています。
ドイツで20年にわたり働いていた、隅田 貫さん著書の『ドイツ人はそんなに働かない』には、ドイツ人の人生における考え方について書かれていました。
ドイツ人は堂々と先送りするのです。それは、自分のプライベートを犠牲にするという発想をあまり持っていないからでしょう。ドイツ人は言ってみればライフを優先させる「ライフ・ワーク・バランス」という考え方なのです。
隅田 貫著『ドイツ人はそんなに働かない』
確かに、日本人の私たちは「ワークライフバランス」というように、仕事を中心に物事を考えがちです。ドイツ人のパートナーも「日本人は仕事のために生きている」と指摘していました。
これには私も納得です。周りを見渡してみても、日本人は人生の中で仕事が1番大切だと思っている人が多い気がします。家族やパートナーと過ごす時間よりも、仕事での付き合いや飲み会を優先するのもよくあることです。
一方、ドイツでは間逆です。
2023年に彼の両親の家に泊まったとき、印象的だったことがあります。お父さんが平日なのに17時台に帰ってきて、家族でゆっくり晩ご飯を食べていたことです。
土曜日の朝も、たくさんの種類のパンやチーズ、ジャムを用意して、彼と両親と一緒に朝食を楽しみました。朝食後、夫婦でハイキングに出かけたそうです。両親はふたりとも働いていますが、自分たちの時間を楽しむ姿勢が素敵だなと思います。
仕事をはっきり断る
ドイツ人の彼は、たとえ急な仕事が入っても、既に予定が入っている場合は断っています。もちろん、先方の都合でやむを得ず働くことはありますが、あくまで日本のルールに従っているという印象です。
日本人のように仕事を断ることに罪悪感を持ったり、周りの人に悪いように思われるのではではないかと気にしたりはしません。体調が悪いときは、有給休暇を使って半休を取ることもよくあります。
ドイツ人もとても真面目に働きますが、日本人との違いはキャパオーバーまで働かず、心の余白を残していることです。
決められた時間の中で、自分ができることに精一杯取り組む。正当な理由がない限り、急な仕事を頼まれても断る。
このようにドイツ人はとても合理的ですが、自分の人生や健康を守るために、必要な考え方だと感じています。
休日はしっかり休む
ドイツで休日の街を歩いていると、のんびりと散歩する夫婦や家族をたくさん見かけました。観光地のような場所でも、ドイツの人たちはせかせかしている様子は一切ありません。
ドイツでは、日曜日はほとんどのお店が閉まっています。そのせいもあってか、自然の中で散歩やハイキングをする人がとても多いのです。
ドイツに滞在していた期間は、時の流れを忘れてしまうほど、時間がゆったりとしていた感覚がありました。日本に帰った途端にせかせかした気持ちになります。
あと、私がドイツ人のパートナーと付き合ってから、衝撃を受けたのが、旅行の日数です。
彼にとっての旅行は、最低1週間。海外であれば2、3週間は必要だそうです。実際、彼のドイツ人の友人を見ていると、平均して3週間くらい旅行しています。
日本の会社では、バケーションの日数は、長くても1週間から10日間が限度でしょう。ドイツと日本の会社のシステムに違いがあるにせよ、積極的に有給休暇を取ることから始めてみてください。
フリーランスの方もなかなか長期の有給が取りにくいかもしれません。でも休むことで、新たなアイディアが生まれやすくなり、生産性も上がります。
私が大切にしている価値観である、「休むことも仕事」を日本の女性に普及させていきたいです。
仕事を頑張りすぎな女性が、明日からできること
20代の頃に会社員として働き、フリーランス8年の私の視点で、会社員とフリーランスの頑張り屋な女性に取り組んでほしいことをご提案します。
■会社員の場合
たいていの会社では、始業時間や終業時間が決まっていることが多いと思うので、仕事中の過ごし方や出勤以外の時間を見直し、頑張りすぎを防ぎましょう。
- 残業や急な仕事を断る
- できなかった仕事は次の日の朝にする
- 午前集中、午後ゆっくり仕事する
- メールを返信する時間を決める
- 1時間に1回はデスクから離れる
- なんでもない日に有給休暇をとる
- 会社から出たら仕事を一切忘れる
- 付き合いの飲み会を断る
職種によっては残業せざるをえないこともあると思いますが、緊急ではない限り、残業を断って翌日の朝にするほうが効率的です。疲れている状態では集中できず、ただ時間ばかりが過ぎていきます。
仕事を断るのは勇気がいることですよね。でも、上司に正直な気持ちを伝えれば、わかってくれるはずです。断ることで頑張り過ぎループから抜け出すか、頑張り続けるか、どちらを選びたいですか?
■フリーランスの場合
フリーランスは、自分で自由に働く日や時間を決められる一方、ついつい仕事をしすぎて、ひとりブラック企業になる人が多くいます。(私もそうでした……。)
休日も仕事や発信のことを考え、本人に自覚がなくても、脳が疲れやすくなります。仕事が好きなことである人は、特に働きすぎに要注意です。
- 先に休みの日を決める
- 仕事の終了時間を決める
- スマホアプリの通知をオフする
- SNSを極力見ない(発信するとき以外)
- 休憩や昼寝をこまめに挟む
- 70%くらいの完成度を目指す
- 完全オフの日を作る(仕事関連のことをしない!)
仕事が好きなフリーランスでも、オンとオフをしっかり切り分けたほうがいいと思います。脳も身体もいつでも稼働している状態なので、休む暇がないからです。
私も毎日仕事してもいいと思っているタイプでしたが、ドイツ人パートナーと出会ってからは、働き方を見直すようになりました。最近では、週に1、2回は完全オフの日を作り、登山や旅行、カフェで読書などを楽しんでいます。
しっかり休む日を設けると、エネルギーが満タンになり、新鮮な気持ちで仕事を楽しめるようになります。
頑張りを手放せば、毎日が心地よくなる
「ゆかちゃんは頑張り屋だよね」
人からよく言われていた言葉です。確かに自分に厳しく、完璧主義な私は、無駄に頑張りすぎることがよくありました。
そんな頑張りすぎがあざとなり、慢性蕁麻疹や気分の落ち込み、PMSの悪化につながり、ようやく休むことの大事さに気づけるようになったのです。
もう一つの転機は、やはりドイツ人パートナーとの出会いです。彼の話を通して、ドイツを含むヨーロッパの人たちのの働き方を知るうちに、「そんなに頑張らなくていいんだ」と思えるようになりました。
自分なりに働き方や毎日の習慣を見直してから、数年前よりずっと心地よく過ごせています。
ちょっと疲れを感じたら、自分をしっかり休ませてあげる。小さなことですが、毎日を元気に過ごすために大切なこと。
頑張り屋さんな女性が、ちょっとでも楽に生きられますように。
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