登山系ピラティストレーナーのYukaです。
2年前くらいから本格的な登山を始め、周りからも「登山女子」と言われるようになりました。
きっかけはドイツ人パートナーと頻繁に登山をするようになったことですが、今では彼も引くほど山にのめり込んでいます(笑)。
元々、旅することや体を動かすことは大好きですが、数あるスポーツやアクティビティの中で、なぜ登山にハマったのか。
今一度、自分の過去を振り返り、登山好きになった理由を明らかにしてみようと思います。
念願のスイスへ!マッターホルンに感動
私の祖母は生前時代、世界中・日本中を飛び回り、友人たちと旅行するのが趣味なアクティブな人でした。といっても、まったく英語が話せない(話そうとすらしない)ので、添乗員さんがいるツアーばかりでしたけどね。
そんな祖母が、何カ国も周遊するヨーロッパのツアーに参加し、一番印象に残っていたスイスに再訪した話を聞かせてくれたことがあります。
当時、私は小学生だったのですが、その話を聞いて「スイスってどんな国なんだろう?」とワクワクしていたのを覚えています。ハイジの世界が好きだったこともあり、山の麓で羊やヤギと戯れる姿を夢見ながら、私の妄想はどんどん膨らんでいきました。
それから15年以上が経った27歳の頃、ようやくスイスに行けることになりました。
祖母の影響でスイスに憧れていたことはもちろん、アメリカ留学時代に語学学校で仲良くなったスイス人の友人たちに会いたかったこともあり、ずっとこの日を待ち遠しにしていました。
スイス旅行の話は長くなるので、またの機会にします。さて肝心の山の話に移りましょう。
スイスといえば、標高4,478mのマッターホルン!これを見ずして帰れません。
その頃はまったく登山経験がなく、ただただ山景色が見たいという一心でした。自分が山好きだという自覚はありませんでしたが、山景色を見るのが好きだったのは確かです。
しかし、スイスに滞在していた1週間はずっと雨予報……。
スイス人の友人ふたりがシェアしているお家に泊まっていたので、天気予報を逐一チェックしては「厳しいかもしれない」という話を聞いていましたが、はるばる来たからには諦められません。
市街地からマッターホルンの展望台に行くには、いくつかの鉄道を乗り継ぐ必要があります。
当日、想いが届いたのか、幸運にもマッターホルンに向かう車内から青空が見え始め、頂上に着いた頃には、雲が多いものの、すっきりと晴れて山の全貌を拝めました。
ひとりでその迫力に圧倒され、静かに感動していました。登山好きになった今訪れたら、また違う感動があるでしょうね。
山頂駅のすぐ近くにレストランがあったので、マッターホルンを目の前にしながらビールをいただきます。
帰る頃にはまた雨模様。結局、スイスではマッターホルンに行った日のみ、奇跡的に晴れてくれました。
余談ですが、登山をするときは、ほぼ毎回この上ない晴天に恵まれることが多いです。そう思うと、この頃から山とご縁があったのかもしれません。
癒しを求め、高尾山に通っていた東京時代
ヨーロッパから帰国したあとは、大阪から東京へ引越しをして、職探しや部屋探しに明け暮れる日々が続きます。
都内で会社員をしながらダンスインストラクターをしていましたが、ピラティスと出会い、2015年からフリーのピラティストレーナーになりました。
東京で過ごした日々は、新しいことの連続で刺激いっぱいそのもので、仕事の勉強やダンスの練習に励み、たくさんのピラティスやダンス仲間、友人たちと充実した毎日を過ごしていました。
ところが30代を過ぎた頃から都会の生活にしんどさを感じ、だんだんと自然を欲するようになります。私は京王線の桜上水駅近くに住んでいたので、アクセスしやすい高尾山によく通っていました。
最初は誰かと行っていましたが、山に登ってくれる人を見つけるのは至難のわざです(笑)。しかも、ときどき訪れる「山に行きたい!」衝動に付き合ってくれる人は皆無。
そこで仕方なく、ひとりで高尾山を登りに行くようになったのです。当時は途中までロープウェーを使っていたので、登山というよりハイキングです。
それでも山に行くたびに、どれだけ落ち込んだ日でも前向きになり、ボロボロになった心が癒されるのを実感していました。
「また山に行ってきたの?」と友人に心配されたりしましたが、当時は登山の知識はゼロで、まだまだ登山女子になる片鱗は見えません。
コロナ禍でひとり旅開始、はじめての上高地へ
東京を離れたのは2020年の4月。パンデミックに関係なく海外移住する予定だったので、引っ越しは決まっていたことです。
実家のある大阪に引っ越したのですが、海外に行ける目処が立たず、渡航を諦めてしまいました。
元々、海外を旅しながら生活するつもりだったので、閉塞感に満ちた生活に嫌気が差し、無性に外に飛び出したくなりました。
その頃は駆け出しライターだったこともあり、仕事や環境に対するストレスが溜まり、精神的に落ち込む日々が続いて、「ここから抜け出したい」と思うほど気持ちが限界を超えていました。
毎日悶々としながらも、あるとき直感が降りてきたような感覚になり、「海外が無理なら、日本をひとりで旅しよう!」とひらめきます。
その頃はちょうど、GoToトラベルで宿に安く泊まれるタイミングでした。
京都や島根県でひとり旅をして、「次はどこへ行こう?」と考えている最中に、上高地の存在を思い出します。姉が上高地に2度訪れ、その良さを何度も話していたので、ずっと行ってみたかったのです。
ふと2日後の上高地の天気予報を見てみたら、なんと絶好の晴れ模様!
しかも閉山まであとわずかという奇跡。早速、京都駅から上高地までの高速バスを予約しました。
当日は早朝5時半に上高地のバスターミナルに到着し、真っ暗の中、バスを降ろされます。そのときの私の服装は、普通の冬用コートとスニーカー。今考えると、本当にありえない服装です。
6時にバス停前のお店やレストランがオープンしたので、案内所にスーツケースを預け、寒さ対策に登山用のソックスを買いました。
そしてレストランで腹ごしらえをした後、明るくなってきたので河童橋へ向かいます。
朝焼けに照らされた奥穂高岳は、吸い込まれるほどの輝きを放っていました。
幸先よくスタートでき、心を躍らせながら大正池方面に向かいます。途中で熊出没注意と書かれた看板にビビりましたが、気持ちよくトレッキングできました。
川の透明度に驚き、北アルプスの雄大さに感動し、木々の美しさに心が洗われます。
私はすっかり山の虜になっていました。はじめて来た場所なのに、どこか懐かしく、ほっとできる場所。
その後、松本や安曇野を訪れ、1週間ほど長野に滞在して山景色をたっぷり堪能しました。
神戸で登山好きなドイツ人と出会う
長野から帰った後は、現実に引き戻されます。いくら旅をしても窮屈な思いは変わりません。
そこで、せめて日本で自分に合う場所を探そうと思い立ち、まずは大阪からアクセスしやすい神戸に短期滞在することにしてみました。
私が一時滞在していたのは、元町駅にほど近い「花隈」。滞在先から10分くらい坂道を登ると、緑に囲まれた諏訪山神社があり、山道につながっています。緑鮮やかな風景に魅了され、毎朝のように山に通い、ランニングするようになりました。
市街地から歩いてすぐに山に行ける絶好のロケーション。これに感動した私は、1ヶ月間延長して、2ヶ月間滞在することにしました。
そんなときに知り合ったのが、現在も交際中のドイツ人のパートナーです。出会ってすぐに意気投合し、彼も新しい会社に転職したばかりだったので、神戸で一緒に暮らすことになりました。
彼は登山やクライミング、キャンプなどアウトドアの経験が豊富です。しかも、ガチのやつ(笑)。
どのくらいガチかというと、ヒマラヤにある6,000m以上の山を登頂するレベルです。ノルウェーではひとりで1ヶ月間キャンプしながら山に登り、牛と闘ったこともあるそう。(どういう状況や!笑)
そんな彼とデートで神戸の山を登ったり、旅行先でトレッキングするうちに、どんどん本気の登山をするようになっていきました。
今では、私のほうが登山愛がすごいです(笑)。これまでに神戸や長野でソロ登山をしたり、本格的な雪山登山や北アルプスにも挑戦するまでになりました。
私が登山にハマったのは、間違いなく彼のおかげです。経験者の彼が先頭を切って、新しい世界へグイグイと導いてくれたからこそ、登山の魅力に目覚めたのだと思います。
こんなにも山との縁があったことを考えると、彼と出会うことも必然だったのかもしれません。
結局、登山にハマった理由はなんだろう?
なぜ、山に登るのか。登山にハマった理由をパッと一言で答えるのは、いまだに難しいです。
とりあえず思いつく限りの理由を書き出してみます。
- 自分の足で歩き、想像しきれない絶景に出会えるから
- 冒険のような体験、未知の世界にワクワクするから
- 大自然を間近に感じ、心身ともに癒されるから
- 不便な環境に身を置くことで、今この瞬間に集中できるから
- 少しずつ成長を実感し、自分に心から自信を持てるようになるから
色々と挙げてみましたが、一番の理由は「山を登るたびに幸せを感じるから」なのだと思います。
理屈では言い表せない幸せを感じるのが、たまたま登山だった。ただ、それだけなのです。
この幸せの感覚は実際に登ってみないとわからないし、みんながみんな感じるわけでもありません。でも人に理解されなくても、自分が楽しんでいれば、それでいいと思います。
同じ登山好きでも、ゆるハイクが好きな人からがっつり雪山登山する人までさまざまです。私は完全に後者(笑)。
自分の好きなスタイルで、好きなことを楽しんでいけばいい。
これからは登山の話も記事にしていきます。楽しみながら、気楽に、自由に!
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